seraph*nell

ジュラルドン×セキタンザン

国王×王妃→宰相×公妃

ガラル連合王国はかつて神の国であり、その全土は神の血肉により成立し、神の力で守られていた。

ある日外宇宙から飛来した邪竜とその信奉者たちの戦争に辛勝したが、邪竜との戦いの中で神々はその力の大半を奪われ、不老不死を失い定命の者として生きることを余儀なくされる。

しかし神々が命を失えば神々の血肉によって作られ守られている王国は崩壊し、そこに暮らす民たちも滅びてしまうことが確定していた。

神々は自らの残された力を後世に残し、自らの記憶と力を子孫たちに継がせ、永劫この国を守護させることとした。

古き神々は末裔の中に魂を宿し、末裔を神として今も尚繁栄している。

かつて神祖セラフはこの国の土そのものであった。

人々、そして神聖王は神祖セラフの巨体の上に王国を作り上げ、彼は遍く者の親となる。神の力を失ったとて神聖王が崩御したとてそれは変わらず。

々は神祖セラフの亡骸を父なる国とし、とうとう後継に恵まれずその権能を完全に失ってしまった神聖王にかわりこの王国の王となった。神祖の魂は子孫に受け継がれていく。

 

今代のセラフ、すなわち「白亜の竜」と呼ばれしその者は神祖セラフを継ぐ者である。

この連合王国の君主であり偉大なる執政者である。

しかし彼、そして彼の中に眠る「セラフ」と呼ばれし者たちの魂は皆一様に「いずれ神聖王はこの地に帰ってくる」と信じている。

自らの栄華を追い求めることもなく、この国を正しき王に返還することだけを願って国の秩序と安寧の守護者として君臨していた。

国の秩序を乱す者、民を忘れ私欲を求める者を執政者は許さない。この国の正義の執行者としての役目を竜は数千年守り続け──

そして国家体制への離反という形によりこの国を乱し民を徒に苦しめた朋友たるシェナーンの末裔を罰した。

「白亜の竜」は秩序の守護者として彼らを処刑し、彼らの息子に神の権能を継承させた。そしてただ一人、彼らの幼い娘が残された。

その娘は果たしてどうなったのか?

 

今代のセラフ、秩序の守護者、正義の執行人、「白亜の竜」──アルビオン・ネハシムはその日、初めての恋を知った。