Nagihiko*Sae

キングドラ×ドラミドロ

幼馴染CP

出会いは小学一年生の頃に遡る。

共学の小中高一貫の学校、最初のクラスでたまたま隣の席であった。それに尽きる。

その縁が6年続き、9年続き、中学3年生の頃に恋人となった。以降学内でも仲睦まじい名物カップルとして有名になった。

凪彦は貴族の家系だが四男坊であり、武人の家系に生まれついた紗英との身分違いの恋はしかし、何の憂いもないかのように思われた。

二人が18歳となり、ともに大学に進学をした頃。

総理大臣たる凪彦の父は凪彦に皇女と結婚するように命令を下したのである。

皇女は齢6歳。12歳も年下の少女との突然の婚約は凪彦にとって信じがたいことであった。当然彼は反発をしたが、父にはとりつく島もなく、ただ「何の為にお前を産ませたと思っている」と一蹴されて終わってしまった。

このまま皇女が15歳になれば必ず結婚させられてしまう。だがそれにはまだ猶予があり、一族を取り巻く情勢もそれまでに変わるかもしれない。

凪彦は楽観的であり、希望的観測によってそのようなことを考えていたが、紗英の方が彼に「駆け落ちをしよう」と持ちかけたのだった。

凪彦にとっては何も危険のない9年の猶予期間だ。未来の皇配に乱暴な振る舞いをする者などこの世に一人たりともいるはずがない。駆け落ちなどをして危険であるのは紗英一人だけ。みすみす紗英を危険な目に遭わすようなことはさせられない。

凪彦の反対をよそに紗英は頑として譲らず、その結果二人は2年の準備期間を経て、駆け落ちをした。

当然追手は来る。父の手によって紗英は家族全員を見せしめに殺された。だが、決して帰ろうとはしなかった。

二人でいること以上に重要なことなど何もなかった。

7年間。

二人が全てを抜け出して過ごした時間の長さ。

その間に二人は子宝に恵まれ、逃げながらの生活も随分板について、家族でひっそりと暮らしていた。

7年間。

二人の生活はそこで終わった。